『不満』になればネガティブな行為で周囲を疲弊させる『受動的攻撃行動』
受動的攻撃行動とはなにか。
受動的攻撃行動とは、簡単に言えばモラハラ(モラルハラスメント)のことです。
とはいえ直接相手に暴言を吐いたり、ネチネチと指摘したり、意見を強要したりするなど、相手に対して明確な意思表示をともなうモラハラとは少し毛色が異なります。
受動的攻撃行動とは自分の考えを主張せず、頻繁に無視や舌打ち、騒音、不機嫌、皮肉、陰口、不平不満、愚痴、サボりといった振る舞いで、遠回しに相手(または周囲)を疲弊させる行為のこと。
明確な意図がこちらに伝わらないため、相手が何を考え、何に怒り、何に不満を感じているのか要領を得ません。
そのため受動的攻撃行動だけが目に付いて不快になり、話し合いや和解する気力も失せて雰囲気は最悪な方向へと。
常習的にそのような行為を行う人が身近にいたら、かなり疲れます。
【日本統合医学協会】アドラー心理学検定1級講座おそらく閉塞感に満ちた日々を送ることになり、結果として心を病んでしまうかもしれません。職場なら生産性が落ち、家庭なら離婚を検討する羽目になるでしょう。
今回はそのようなモラハラをやめることがきない人たちについてご紹介します。
受動攻撃性パーソナリティ障害(PAPD)
先述の通り『不満』になれば頻繁に無視や舌打ち、騒音、サボり、不機嫌、皮肉、陰口、不平不満、愚痴といったネガティブな行為で相手(または周囲)を困惑させ、疲弊させる『受動的攻撃行動』。
『受動攻撃性パーソナリティ障害(PAPD)』を有する者とは、このような受動的攻撃行動が常態化した人たちのことを指します。
とはいえ、誰だって愚痴をこぼしたり、不機嫌になったりもしますが、でもそれだけじゃなく不満を解決するための何らかの行動を試みるはず。たとえば直接、相手に意見を述べたり、話し合ったり、もしくは誰かに相談したりなど、きっと多くの方がそのように対処することでしょう。
しかしPAPDを有する者にとって、そのような対応は困難を極めます。
彼(彼女)らにとって受動的攻撃行動とは防衛本能のようなもの。
つまり、不満を解決するための合理的な行動ではなく、利益や優越を求めて、計画的(もしくは打算的)にそのような行動をとっているわけでもありません。
しかしなぜ、そのような行動に帰結するのか。理由はPAPDを有する者の生い立ちにあります。
たとえば
・毒家族による『体罰』や『虐待』
・学校での『いじめ』や『悪質なスクールカースト』
・友人関係のつもりが、実は主従関係
このような環境下では素直に自分を表現できません。その結果、幼くして必要以上に耐えることだけを覚え、主張することを放棄。
具体的には不満を感じて異を唱えれば【暴力・暴言・非難・叱責・癇癪・侮辱】などで返されてしまうような生活環境が原因とされているようです。当然、そのように制限されてしまえば、主張する気も失せてしまい、鬱屈するわけです。
行動心理の根底にあるのは『自己主張すれば反撃されてしまう』という恐怖心や不安、煩わしさ。その結果、主張することが億劫になり、加えて悪化するのが『どうせ否定されるんだったら他人に任せてしまおう』という他者依存的な思考。
しかし他人任せとはいえ、やはり不平不満はでてくる。そこで、このフラストレーションを何らかのかたちで解放したい。
解放したいけれど、それをするのは億劫だ。怖い思いをするかもしれない、悔しい思いをするかもしれない、恥をかくかもしれない、それに面倒くさいし、責任を負いたくない。かといって、その人のやり方は気に入らない。
脆弱な自尊心と真意の狭間で募る苛立たしさ。
このようなジレンマを経て、結果的に『態度で示す』ように。
つまりPAPDは発達期(または特定の小児期)における『怒り』や『欲求不満』の過度な制限に起因しているようなのです。
そのため、もはや身に染みついた自己防衛本能の一種といっても過言ではないのかもしません。
PAPDによるモラハラへの対処法
受動的攻撃行動とは、被害者にとってはモラハラ以外の何ものでもありません。
ただ、PAPDを有する者にとって、受動的攻撃行動(モラハラ)とは、不満を対処しようとする際に働く防衛本能のようなもの。
基本的に『悪意』があるわけではないのです。
つまり『利益』や『悪質な優越』を目的とする反社会性タイプ(サイコパスやソシオパス)や、自己愛タイプ(ナルシスト)などの邪悪なパーソナリティが放ってくるモラハラに比べればマシな方。……個人差がありますので一概には言えませんが。
確実な対策としては『不満』を感じさせないことです。ですが社会人に対してそんなことやっていられません。
そこでいくつかのモラハラ対処法を記します。※あくまでもPAPDタイプ(受動攻撃性パーソナリティ障害またはそれに準じるもの)によるモラハラの対処法です。
家庭では
・モラハラがいかに不快かを、繰り返し諭してみましょう。PAPDタイプは倫理や道徳が欠落しているわけではないので、場合によっては有効です。
・そのシーンを録画もしくは録音して見せ(聞かせ)、反省を促してみましょう。悪質な場合は離婚を有利に進めるための証拠として使えますので、大事に保管しておいてください。
・『あなたはどうすべきだと思う?』と聞いてみましょう。主導権をある程度握らせることで、行動に責任を持たせ、他者依存的なやり方を改めてもらうことが目的です。
・モラハラに反応しない(スルーする)。PAPDタイプによる受動的攻撃行動とは結局のところ、大人に成りきれなかった者の振る舞いです。いわば重度の『ふてくされ』。そのように考えて対応してみましょう。
・カウンセリングを勧めましょう(誘導しましょう)。当然のことながら一般人とプロのカウンセラーとでは知識や説得力がまるで異なります。おそらくは一番の近道かと。
職場では
職場では、より合理的に対処可能です(会社にもよりますが)。
PAPDタイプによる受動的攻撃行動(モラハラ)とは単に「不満」や「怒り」を晴らしたいという幼稚で、他者依存的かつ衝動的で自己破壊的な行動なのです。ゆえにそのような者が社内で評価されているわけがありません。
つまり日常的にサボったり、頻繁に愚痴を漏らしたり、陰口を叩いたり、仕事を遅らせたりと、そのようなことを日常的にしているはずなので、証拠収集は比較的、容易なはず。
それらの証拠を揃えて、上司に実際の被害予測や損失を提示しましょう。そして、上司が駄目なら人事へ。会社がまともなら、何らかの処分が下されるはず。会社には「安全配慮義務」または「職場環境配慮義務」があるからです。もしも会社が対応してくれない場合は労働組合、労働基準監督署、弁護士などに相談しましょう。
悪質なモラハラの場合
先述した対処法はあくまでもPAPDタイプによるモラハラ対策であって、加害者に更生の余地があり、被害が比較的軽度で済んでいる場合です。
そうではなく、邪悪または危険なパーソナリティ(サイコパスやソシオパス、ナルシスト等)が放ってくるような、深刻なモラハラについては家庭、職場ともに法的措置を視野に入れて検討してください。
精神障害や最悪、自殺の可能性も考えられるからです。
その場合、(家庭と職場どちらの場合でも)慰謝料等の損害賠償請求が可能かもしれません。
ですがその際、必要になるのが『証拠』。
第3者にモラハラ行為を証明しなければなりません。
証拠を確保するのは億劫な気持ちになります。しかし証拠さえあれば職場なら部署移動や退職、家庭なら離婚や慰謝料を請求する際に有利です。たとえば、退職を自己都合退職ではなく会社都合退職にしてもらうよう会社側に求めることができ、もしくは自己都合退職であっても、ハローワークで証拠を元に事情を説明することで、特定理由離職者として認めてもらえるかもしれません。家庭なら離婚や慰謝料、もしくはその両方を請求できます。
証拠収集について
具体的にはメールや書類、指示内容、発言内容、相談記録、SNS、LINEなどの画像や音声、テキストデータを日常的に収集しておきましょう。日々の出来事を日記につけることも有効です。また、モラハラ被害で体調が悪い場合は医療機関を受診し、診断書を発行してもらってください。※診断書はとても重要
まとめ
危険性は然程ないとはいえ、PAPDタイプによるモラハラは強い閉塞感をともないます。PAPDを有する人も、何らかの経緯があってそのような振る舞いを本能的にしてしまうのでしょうが、そのままでは互いの不快度が増すだけで、状況は一向に好転しません。まずは改善に向けて一歩踏み出しましょう。
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