アメリカ人の約2~3%が不安障害の一種『パニック障害』を経験し、男性よりも女性の頻度が高く、男性の約2~3倍とのことです。絶えがたい不安や恐怖を伴うことが多く、学校や会社に行けなくなるなど、日常生活に大きな支障をきたし、更に長期化すると『うつ病』になる場合もあるので、早めの対処(診断やセルフケアなど)が重要です。
パニック障害とは
パニック障害は不安障害の一種です。パニック障害はパニック発作という原因不明の強い不安や恐怖による症状を引き起こします。昔は不安神経症や過呼吸症候群とも呼ばれていました。個人差はありますが、「死ぬかもしれない」「気が変になる」などの不安や恐怖を極度に感じてしまいます。ですが基本、命に関わることはなく、適切な治療を受けることで、多くの方が社会復帰されているようです。
パニック障害の原因
不安障害(パニック障害)の原因は不明とされていますが、有力説ではモノアミンが関係しているとのこと。
まず、最初にセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンは、モノアミンと呼ばれています。
いじめや嫌がらせ、虐待、孤独、親しい人やペットの死による強いストレスや過労などが引き金となり、モノアミンのバランスが乱れることで発症するという説もあります。
またその影響により、ストレスの悪循環も考えられます。
そもそもストレスとは
人間はストレスや不安に晒された時、「戦う」、「逃げる」、「硬直する」等、何れかの行動を咄嗟にするための防衛本能が働きます。
脳の扁桃体を起点に発信されるホルモン(コルチゾール等のストレスホルモン)信号により、心拍数や血圧の向上、血管の収縮、たんぱく質や脂肪を元にエネルギーを産出。緊急時に必要ではない器官の活動を抑止してエネルギーを節約させた後、脳などの主要器官にエネルギーを多く供給し反応時間短縮、集中力、強度、敏捷性を向上させ、すなわち体を「戦闘状態」に移行させます。
そして、不安や恐怖などのストレスが終了すると反応をオフにし、戦闘態勢から体を正常に戻します。ですが、これは一時的なストレスの場合。
不安障害(パニック障害)の場合、ストレスに過剰反応するようになる
厄介なことに不安障害(パニック障害)の場合、扁桃体が活性化してしまい、ちょっとしたストレスにも過剰反応するようになるため、戦闘態勢が長期化します。
戦闘態勢の長期化はコルチゾールを枯渇させ、メンタルや体を更に弱らせます。
具体的には副腎疲労症候群を引き起こす可能性があります。症状は低血圧、低血糖、性欲低下、生理不順、倦怠感、胃腸の異常、炎症やアレルギーの悪化、うつ、不眠、病気や怪我の治りが遅くなるなど様々です。
つまり、症状を解消(軽減)するためにはモノアミンの安定と扁桃体の鎮静が重要になるわけです。
パニック障害の主な症状
パニック発作は突然、下記の症状を引き起こします。
激しい動機
胸や胃の痛み
呼吸困難
脱力感またはめまい
冷や汗
寒気やのぼせ
強い恐怖感
強い不安感
手がチクチクする、またはしびれる
パニック障害の治療について
パニック障害の治療は基本、薬物療法による治療となりますが、場合によっては精神療法も併用します。
精神療法
認知行動療法(CBT)やリラクゼーション療法が一般的になります。
薬物療法
抗うつ薬
通常、これは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を処方します。比較的、副作用が少ないとされていますが、睡眠障害や以前よりも不安を感じるなどの副作用を引き起こすことがあります。SSRIが機能しない、または適切でない場合は、三環系抗うつ薬と呼ばれる別の種類が提供される場合があります。
プレガバリン
全般性不安障害(GAD)と診断された場合など、場合によってはプレガバリンと呼ばれる薬を処方する場合があります。これは『てんかん』の治療に通常使用される薬ですが、不安神経症の治療にも認可されているようです。
ベータ遮断薬
ベータ遮断薬は、頻脈、動悸、震えなどの不安的身体的症状を治療するために使用されることがあります。しかし、精神科の薬ではないので、精神的な症状を軽減することはありません。特定の状況下における投与となるでしょう。
ベンゾジアゼピン精神安定剤
日常生活に重大な影響を及ぼしている場合は、ベンゾジアゼピンが提供されることがあります。しかし、不快な副作用を引き起こし、依存に陥る可能性があるため、基本的に低用量で短期間の投与となります。
参考:1)
セルフケア
セルフケアも重要ですが、基本は専門医の指示に従うようにしましょう。
先述の通り、不安障害(パニック障害)はモノアミン(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)のバランスが乱れることで発症するといわれていますが、その影響により、ストレスの悪循環も挙げられます。
症状を解消(軽減)するためにはモノアミンの安定と扁桃体の鎮静が重要になるわけです。
生活習慣
睡眠時間とトリプトファンを意識した食生活が重要になります。モノアミン(主にセロトニン)の枯渇や機能低下はメンタルヘルスに悪影響を及ぼすともいわれています。セロトニンを増やすにはストレスの軽減、腸内環境改善、日光浴や適度な運動、タンパク質の一種トリプトファンの摂取が重要です。
ストレスの軽減
お酒や煙草、カフェイン、夜更かしを控え、仕事や家事の分担、周りへの相談、ヨガや軽い運動、日光浴、趣味、普段以上にストレスの軽減に努めましょう。
おすすめ記事
【JavaScriptライブラリ『jQuery』プログラミング】レトロなブラウザゲームをつくってみたよ!^^)
職場特有の人間関係や将来性に強いストレスや不安を感じている方は「在宅プログラマー」への転職(再就職)がオススメ
邪悪な人に関する記事
身近に潜んでいる陰湿で邪悪な支配者『マニピュレーター』
カバートアグレッションになる原因と対策・対処法
マニピュレーターの弱点と対策について。操りたがる人たちが恐れる『無敵の人』
『マニピュレーター』対策と弱点について。邪悪な人たちを寄せ付けない『忍びの心得』
『暗示』を得意とする邪悪な人。マニピュレーターによる洗脳とその手口について
マニピュレーターになる原因とは。共感力が欠落する経緯について。
閉塞感をともなうモラハラ。受動攻撃性パーソナリティ障害(PAPD)による『受動的攻撃行動』
今後、激増するかもしれない『職場のガスライティング』その種類と対策について
現代社会が生んだモンスター『カバートアグレッションを有するマニピュレーター』による深刻な『いじめ』
陰湿な嫌がらせと『カバートアグレッション』の違いと対処法について
『脆弱型ナルシストを見抜く』ための基準となる8つの特徴
脆弱型ナルシストに利用され、腐敗しはじめている会社の特徴5選
なぜ、あの人は「いじめ加害者」に寄り添うのか。~フライングモンキーの心理について~
脆弱な自尊心を抱えるナルシスト(NPD)に味方する厄介な取り巻き『フライングモンキー』の対策・対処法
誰もが『フライングモンキー』になるかもしれない理由 ~フライングモンキーの心理学~
フレネミー? いいえ、その人は『パラノイア』です。ちょっとしたことで敵へと豹変する人たちについて
職場のサイコパス、ナルシストなどが行う「心理的虐待(ガスライティングなど)」の虐待例と対策及び対処法
ストレスフルな職場で注意すべきメンタルや身体の危険な症状
邪悪どころではない危険な性質『サディスティックパーソナリティ障害(SPD)』とは。サディストの種類やその危険性について
「近づいてはいけない人達」を初見で見極める
毒親による病的ナルシスト『自己愛性パーソナリティー障害』
ナルシストとソシオパスを見極める
職場や家庭でサイコパスの有害性に匹敵する「ソシオパス(社会病質者)」
静かに攻撃する人達『受動攻撃性パーソナリティ障害』
ナルシスト(NPD)による『ガスライティング』の特徴と対策
サイコパスが上司の場合は悲惨です。ですがサイコパスは社会的に成功している場合があります。もし上司がサイコパスに該当する場合は早めの対策を。下記はサイコパス上司とクラッシャー上司についての特徴と対策
サイコパスやサディスト、ナルシスト、反社会性の他にも危険なタイプが存在します。下記はサイコパスやサディスト、ナルシスト、反社会性の特徴をもつ危険なタイプについて
サイコパスを事前に把握し、対策することで、被害を回避、軽減できます。下記はサイコパスにおける20の特徴と対処法について
「怒り」の種類と、その「怒り」裏に隠されているかもしれない障害のタイプをご紹介します。「怒り」で周りの人や自分に潜む「パーソナリティー障害」や「精神障害」がわかるかもしれません。
婚活で注意したいサイコパス『ハイスペック(高収入)男子』
メンタルヘルスに関する記事
無愛想な人と仕事をするときの心構え
周りの目(他人の目)が気になる人への処方箋
多くの人がついやってしまう『人から嫌われる不快な行動5選』
本物のぼっち【シゾイドパーソナリティ障害】。職場で『ぼっち』になったらどうしよう。この記事を読んでいるあなたなら大丈夫。【新社会人および就活者向け】
なぜ『おとなしい人』は意地悪な人から目を付けられるのか。なぜなら『承認欲求が強い人』と『おとなしい人』との相性は最悪だからです
HSPで仕事や人間関係に疲れる。そして生きづらい。もう限界だと思っている方へのシンプルな対処法
メンタルを強くする2つの方法と即席で強化する思考術
『傷つかない考え方』と『傷つきやすい人』について。とある『傷つきやすい人』実は○○○○○かもしれません
職場特有の人間関係や将来性に強いストレスや不安を感じている方は「在宅プログラマー」への転職(再就職)がオススメ
不安や辛い過去に響くお釈迦様の教え「一夜賢者の偈」
落ち込む(気持ちが沈む)メンタルに効果的な4つのメンタルヘルス(アジェンス思考・習慣・栄養・ハーブ)
不満(イライラ・ムカつく・ドキドキ)なメンタルに簡単でスグにできる効果的な4つのメンタルヘルス(瞑想常駐(めいそうじょうちゅう)・習慣・栄養・ハーブ)
将来が不安な方はスクールに行って手に職をつけよう。プログラミングやデザイン、英語は特にオススメ。
精神を病む前に辞めてしまおう。お金ではなく、スキルを稼ごう。スキルは転職やフリーランス、起業における最強フリーパス
『○丼』によるメンタル対策「不安・緊張(プレゼン・スピーチ・商談・転職・就職活動・面接)にかなりオススメ」
職場でメンタルを回復する方法。オキシトシンをフル活用しよう!
不安なメンタルを解消・軽減しよう!「思考・習慣・栄養・ハーブ」による4つのメンタルヘルス
「不安」を感じやすい方のための栄養とハーブ
重い生理痛やPMS、職場特有の人間関係、ライフステージによる仕事のストレスや不安がある方は「在宅プログラマー」へ転職(または再就職)しよう
参考文献
1)
Mind Infoline『Anxiety and panic attacks』
https://osbt2l4rax5skihjwukrny7pjy-jj2cvlaia66be-www-mind-org-uk.translate.goog/information-support/types-of-mental-health-problems/anxiety-and-panic-attacks/anxiety-treatments/