ガスライティングという陰湿な嫌がらせをご存知ですか?
心理的虐待の一種であり、つまるところ『悪質な嫌がらせ』のことです。
それもターゲットを自己嫌悪や精神障害、自殺に追い込む極めて『タチの悪い嫌がらせ』
共感性や罪悪感が欠落していなければできない行為であり、ゆえにこの行為の常習者は例外なく『ダークトライアド(邪悪な性質)』と『カバートアグレッション(隠れた攻撃性)』を有しています。
ダークトライアドを抱えている者の中でも、ナルシスト(NPD)やソシオパス・サイコパス(ASPD)はその典型であり、彼(彼女)らはマニピュレーター(支配する人)でもあります。
マニピュレーターとは心理的操作をする人のこと。具体的には間接的、欺瞞的、または手に負えない戦術を通じて他者の行動や認識を変えることを目的とした支配的行為をする人のこと。マニピュレーターについてさらに詳しく知りたい方はこちら→→身近に潜んでいる陰湿で邪悪な支配者『マニピュレーター』
話を戻します。
私は仕事柄、離職率高めのストレスフルな職場を数多く経験してきました。
当方の経験則では職場におけるこのタイプの多くは、このNPDタイプとASPDタイプのいずれかに属します。
彼(彼女)らによるガスライティングは、陰湿さだけでなく、やり口が巧妙で事前に心構えや対策を講じなければ手に負えません。
そこで今回はガスライティングの種類とその対策についてまとめてみました。
でもその前に。
その厄介なガスライティング被害ですが、今後は増加の一途をたどるかもしれません。
まずはその理由をご説明します。
パワハラが減少し、カバートアグレッションスタイルが増加する時代
ようやく『いじめ』や『ハラスメント』が社会問題として注目されつつある今日。
実際「○○社がパワハラで従業員を○○に追い込んだ」等の報道や記事をよく目にします。
それもそのはずで、たとえばパワハラ。このような行為はもはや厳禁となり、すでに企業における防止措置は義務化されているからです。
具体的には2013年に「いじめ防止対策推進法」が施行され、『パワハラ防止法』については2020年6月1日に大企業、中小企業においては2022年4月から施行開始となりました。
法律として制定された以上、反故にすることはできません。
『パワハラ防止法』に罰則規定はありませんが、その運用を怠り、行政の勧告に従わなければ、企業名が公表される可能性があります。
それだけではありません。相談者(被害者)に対して適切に対応しないなど、企業がその義務を怠った場合『職場環境配慮義務違反』となり、さらに従業員から訴えられ裁判沙汰にでもなれば、企業の信頼に傷がつき、致命的な事態になりかねません。
もう、一昔前のように『見て見ぬ振りをする』や『これも指導の一環』、『一種の愛情表現』、『先代も我慢してきたのだから、お前も我慢すべき』などの戯言で正当化したり、誤魔化すことができなくなったということです。
今後、公然とパワハラをする典型的な直情タイプは次第に淘汰されていくことでしょう。
……しかし。
邪悪なタイプはそうもいかない。
彼(彼女)らにとっては『人を虐げて利益や欲求を貪る」行為こそが全てであり、彼(彼女)らなりのスタイル(生き方)。
『人から搾取すれば容易に欲求を満たせる』というスタイルに味を占めているわけです。
そもそも罪悪感や共感性が欠落した者達にとって、正常なスタイルで生き抜くことは非常に困難。
止められるわけがないのです。
ゆえに
『認知されなければ問題ない』
『証拠を残さなければ問題ない』と。
パワハラはモラハラへ。
罵倒は陰口へ。
カバートアグレッションスタイルに形態を変え、陰湿かつ執拗にターゲットを苦しめる時代の到来です。
ひきこもり・不登校・休職からの社会復帰の悩みにNPD(ナルシスト)タイプによる「ガスライティング」またはそれに準ずる「嫌がらせ」について
NPDとは自己愛性パーソナリティ障害を抱えている人のことを指します。
ガスライティングといえばNPD。私の経験則ではそのぐらい職場に占めるNPDの割合が高いという実感があります。
脆弱な自尊心を抱えるNPDは常に称賛を渇望します。ですが真の実力が無い以上、その欲求を満たすことはできません。とはいえ、そのままでは自我を維持することができないので、彼(彼女)らは常習的にターゲットを虐げることで、優越に浸り自我を維持しようと試みます。
しかし先述の通り、公然とハラスメントができない今日においては、それすらも難しい。
そのままでは身が持たない。……ではどうするのか。
陰湿な手法でやるしかないわけです。ゆえに『NPD=ガスライティング』なのです。
逆に言えば、まっとうに生きる術を知らない(できない)ということ。
以下にNPDタイプによるガスライティング(または)嫌がらせの特徴を記します。
■些細な問題を致命的な問題にする
それを公の場で執拗かつ声高に追及することで、自らを誇示しようとする。ちなみに自身のミスについては反省もせず、触れようともしない。NPDの特徴でもあるが、自身を完璧だと思っているので、絶対に非を認めない。
■ミスを捏造する
かなりタチが悪いケース。社内におけるターゲットの信用は失墜し、必然的に孤独となり、相談相手もいなくなる。精神面でも物理面でも致命傷となる極めてタチが悪いガスライティング。このレベルになると自己嫌悪だけでなく、うつ病などの精神障害を患う可能性が高くなる。
■(ターゲットの)私物を【隠す・覗く・ずらす】
位置をずらしたり、隠したりする(見つけ難いようにする程度)など。認知機能を疑わせるよう仕向ける。そうすることで滑稽なターゲット像を周囲に植え付け、その光景をネタにすることで悪質な優越に浸ろうとする。またターゲットの個人情報を得ることで、それを会話のネタにしようとする(NPDは常に会話の中心または独占したがるので、主にターゲットに関するネタの確保については、常に意識している)
■敵意を周囲に抱かせる
NPDの多くはマニピュレーターでもある。マニピュレーターとは操作または支配する人のこと。マニピュレーターはデマを流すなど「ターゲットの孤立化」を図ろうとする。たとえばターゲットへの敵意を周囲の誰もが納得する的確なタイミングでそれを行う。目的はターゲットを弱らせて「持続的な搾取」を容易にするため。もちろん、NPDによる搾取とは「優越を得る」、「称賛を得る」という意味。
■執拗なマウンティング
些細なミスや欠点に目をつけ、マウンティング。他に取り柄がないNPDは常習的にそれを行いターゲットを疲弊させる。目的はやはり「優越に浸る」ため。
■過小解釈
公然と馬鹿にする。ターゲットが厄介者であることを周囲にアピールする。例えば周囲からも認知される状況下で、呆れた振る舞いでターゲットを愚弄する。たとえば初回にも関わらず、再三の注意をするなどの行為はその典型。
■情報を共有しない
称賛を渇望するNPDは常に自分だけが優位になれるよう行動している。たとえ、それが重要な情報で、自分が所属する部署(またはチーム)に影響することであっても、そのことについて非難されることなく、結果的に称賛され、自身が特別視されるのであれば周知しない。彼(彼女)らにとって会社の利益はどうでもいい。
■受動攻撃
些細なことで(または前兆も無く)受動的になる。無視や愚痴、陰口、舌打ち、ため息、不機嫌となりターゲットを疲弊(または混乱)させる。受動攻撃の一種。会話の主導権を握れなかったり、他者が評価されたり、ターゲットを陥れる際、頻繁にこのような悪態をとる。
NPD対策
NPDによるガスライティングの目的は脆弱な自尊心を維持するため。称賛(評価)が得られない環境下におけるNPDのいわば防衛手段。ターゲットを虐げ、優越に浸ることで自尊心を維持しようと試みます。しかし、脆い自我と称賛を渇望するNPDにとって、周囲から指摘または非難されるリスクはどうしても避けたい。嫌がらせがグレーゾーンであっても、実行犯であることを知られたくないわけです。ではどうするのか。
多くの場合、NPDは「フライングモンキー」という取り巻きを引き連れていますが、ガスライティングについても基本的には、フライングモンキー経由で間接的に実行します。このような経緯もあり、結果的にNPDのガスライティングは、とにかく陰湿かつ邪悪なものになるわけです。フライングモンキーについてはこちら→→【ナルシスト(NPD)に味方する厄介な取り巻き『フライングモンキー』の対策・対処法】
下記にNPDタイプによるガスライティングの対策をまとめています。是非、ご覧ください。
ASPD(高機能ソシオパス・サイコパス)タイプによる「ガスライティング」またはそれに準ずる「嫌がらせ」について
共感性、感受性、情緒、思いやりの心や罪悪感、恐怖心など、人として重要な多くの要素が欠落したASPD「高機能ソシオパス(社会病質者)」と「サイコパス(精神病質)」
ASPDとは『反社会性パーソナリティ障害』を有している者のこと。彼(彼女)らは自身の利益や欲望(主に快楽)を満たしたいがために平然と人を欺き、操作(支配)、嫌がらせ、違法行為を行います。
もちろん、多くの方が自己の利益を追求しますが、その比ではありません。
彼(彼女)らは病的に嘘をつき、言いくるめ、人を操作して利益を得ることだけを常に考えています。彼(彼女)らにとって人とは利益を得るツールのようなもの。ゆえに道徳観や倫理観に欠けた合理的判断で「○○は搾取されて当然だ」、「○○は被害を受けて当然だ」等のような価値観を有し、良心の呵責を感じることなく、冷酷に利益を追求します。
そして厄介なことに彼(彼女)らは高い知能を有していることがあり、そのうえ罪悪感が欠落しているため、平然と人を犠牲にしながら出世コースを突き進み、一定の地位(または権力)を築いている場合があります。
そのため、よくあるパターンが(ASPDタイプ)上司による被害。
■記憶の捏造
「なんでやってないの? で、今からやるの? どうなの?」、「○○さん、以前頼んだ件どうなりました? え? 私、頼みましたよ?」など、虚偽の記憶を捏造して強引に仕事を押し付ける。ASPDタイプにとっては利益が全て。その結果、罪悪を感じることなく衝動的にこのような振る舞いを実行する。
■合理的に言いくるめる
「会社の方針なんだから」、「組織に逆らうのか?」、「とにかくノルマを達成しろ」、「終電に間に合えば問題ないだろ?」等、例をあげれば枚挙にいとまがない。自身の利益(ここでは保身)に繋がることなら相手の事情など知ったことではない。その結果、共感に欠けた言動で合理的に目的を達成しようと試みる。
■成果物(作業結果)の改ざんおよび捏造
ASPDは軽度の違法行為程度であれば、何ら躊躇しない。そのため、ガスライティングも高確率で違法性がある。具体的にはライバルを蹴落とすために、スキャンダルを捏造したり、責任を回避するために平然と成果物を改ざんしたりする。
■手柄の略奪
あたかも自分が成し遂げたかのように振る舞ったり、成果をあげた当人がいないところで、さも自分がそれに貢献したかのように報告したりする。NPDもよくやる手口だが動機が異なる。NPDの場合は称賛されることが目的であり、それに対してASPDの場合は利益目的である。
■手のひら返し
いわゆる「裏切り」。NPDも頻繁にこのような振る舞いを行う。また、部下(もしくは他部署)に仕事を振りたいとき、責任を追及されるなど立場が不利になったときに、モラルやコンセンサスを無視した合理的な主張で、このような振る舞いを行う。
■悪質な笑いのネタにする
利益に繋がらない仲間を犠牲(笑いネタ)にして別の仲間との結束力を高めたり、人脈を広げようとする。または仲間を犠牲に成果を得ようとする。ちなみにNPDの場合は自我の優位性を保つ目的で仲間を最小化【過小解釈】する。要は馬鹿にする。
■支配(操作)する
ダークトライアドを有するASPDはマニピュレーターの一種でもある。ゆえに良心や罪悪感は無い。何の躊躇もなく利益目的で支配的行為を行う。最初はターゲットに対して異様に友好的であり、親切。二面性を容易に使い分ける。次にデマを流すなどしてターゲットを孤立化。親切な行為と不親切な行為を巧妙に使い分けることで、信頼関係を依存関係へと変化させ、継続的に搾取できるようにする。※詳しくは→→【身近に潜んでいる陰湿で邪悪な支配者『マニピュレーター』】
ASPD対策
ガスライティングの内容がNPDタイプと似ていますが、NPDは称賛目的であり、ASPDは自身の利益(主に金銭に直結する保身、もしくは快楽などの一般的な欲求)です。
NPDが(利益など)あらゆる物事に反応するのに対し、ASPDはそれらに直結するテーマにだけ反応を示します。
つまり、NPDが渇望する「称賛」を求めることもなければ、日常の些細な出来事や他者の顔色、自分より立場が低い者からの評価などASPDにとっては、知ったことではないということ。
繰り返しになりますが、ASPDによるガスライティングは利益を得ることが前提となり、具体的にはターゲットに何かを要求する際によく使われます。度し難く、違法性が高い場合があるため、要注意です。
下記にNPDを含めたASPD対策をまとめています。是非ご覧ください
まとめ
お気づきかと思いますが、NPDとASPDのガスライティングには多くの共通点があります。ですが、目的(動機)が異なります。
利益を追求するASPDと称賛を渇望するNPD。このように認識してください。
両者の特徴を理解したうえで対策を講じましょう。
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