その環境下における、様々な情報の影響を受けやすく、そのせいで人一倍ストレスを抱える『繊細な人』
通常の人に比べて感度が鋭く、どんな些細な情報でも、それを無意識のうちに解釈しようとするため、一般的な社会生活における心労が耐えません。
たとえば、会話ひとつとっても脳はフル回転。
会話とは、人によっては話し手の言葉を文字通りに受け取る程度だったりします。
ところが繊細な人はそうもいかない。
話の内容だけでなく、話し手や話に関連する、ありとあらゆる情報を受けとめようとしてしまいます。
具体的には話の内容にはじまり、言葉の温度感、話に至るまでの経緯、話し手を取り巻く人間関係、話し手の立場、話し手のストレスレベル、話の真偽、(話の)タイミングの意味、重要度、声の大きさ、能動的に話しているのか、受動的に話しているのか、声の抑揚、話をしているときの表情、周りの反応、目線、目つき、仕草、口臭、そして自分に対する本音。
さまざまな情報が津波のように押し寄せ、思考がさらわれます。
当然、ストレスに対する感度も一般の比ではありません。
このような性質を抱えているため、鈍感な人でさえも苦しむブラックかつストレスフルな環境はもはや地獄のようなもの。
そこで今回は、繊細な人が少しでも楽になればと思い、まとめてみました。つきましては記事の後半でシンプルな対処法をご紹介したいと思います。
HSP
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン Highly Sensitive Personの略)は先述のような一般の人に比べて感受性が高い繊細な人のこと表しています。医学用語ではなく、エレイン・N・アーロン氏が1996年にこの概念を提唱しました。
ちなみに、HSPをテーマにした『「繊細さん」の本』は50万部突破のベストセラーであり、それに加えてネット(主にSNS)の影響でHSPの認知度はさらに向上し、自分もそうだと打ち明ける人が増えてきているようです。
それもそのはずで、なんと人口の15~20%「5人に1人」がHSPに該当しているとのこと。
とはいえHSPは病気ではありません。HSPは性質または性格であり、感覚処理感受性が高い人のことをそのように呼びます。
ひきこもり・不登校・休職からの社会復帰の悩みに具体的には……
「雰囲気がピリピリして居心地が悪いな……(些細なネガティブ情報を感じ取りやすい)」
「この人、機嫌が悪いな。何があったのだろう……(相手に共感しようとする)」
「素っ気ない態度だな……私、何か悪いことしたかな……(日常的にネガティブなパターンを考えてしまう)」
「あの時(かなり昔のこと)、何であんなことを言ってしまったのだろう(過去を何度も思い返してしまう)」
「この人、何か冷たいな。私の態度が悪いからかな……(自分に非があることが前提で物事を考えてしまう)」
「騒がしくて、気分が悪い……(大きな物音や騒音にストレスを感じてしまう)」
「なんで嘘をつくの……?(嘘を見抜いてしまう)」
「気を使わなくていいのに……(どこまでが社交辞令【世辞や媚び】なのかすぐにわかる)」
「この匂いは一体なに?(嗅覚が鋭い)」
「眩しすぎる!暗くしてほしい……(光に敏感)」
「ジメジメして気が滅入るし、気分も悪い。早く帰りたい……(湿度や温度に敏感)」
「素晴らしい作品だった。いつまで経っても、涙がとまらない。まだ余韻に浸っている。(容易に感情移入する。また、その状態が長期化しやすい。共感力が強く、想像力が豊か)」
このように、そこまで考えたり、感じたり、配慮したり、心配したり、不安にならなくても良いはずなのに、必然的かつ本能的に頭を使ってしまうため、一般社会において生きづらいシーンに多々遭遇してしまいます。
一般よりも多くの情報を取り入れ、それらを無意識に考察してしまうだけでも重労働。社会人ならば、そこに仕事が加わり、その成果を要求されます。もちろん作業成果だけじゃなく、人間関係も求められるわけです。
結果的にそれらのボリュームによっては、常に(思考が)マルチタスク状態。それだけでもストレスですが、場合によってはネガティブな感情を含むあらゆる情報で、脳がキャパシティーオーバーとなり、適応障害や精神障害を患うきっかけになる場合もあります。
そこがブラックな環境だったら、なおさらでしょう。
HSPの原因と症状の正体
HSPは後天的要素(発達期における悪質な育児や環境、事故、事件など)ではなく、先天的(遺伝性)な資質が影響しているといわれています。
人間は不安や恐怖などのストレスに晒されると扁桃体が活性化し、「危機的状況に対処せよ」という指令が視床下部に伝達されます。すると副腎からノルアドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンが放出。
放出されたコルチゾールは血圧上昇、心拍数上昇、免疫を低下させ、優先順位が低い器官の活動を制限させます。要は危機的状況の解決に向けて、体の余計な機能を制限させ、一時的な戦闘態勢へと移行させるわけなんですね。
HSPを抱える方はこの扁桃体が活性化しやすいとされています。
つまり、ストレスホルモンが分泌されやすく戦闘態勢(戦うor逃げる)に移行しやすいということ。
そして戦闘態勢が長期化すればコルチゾールは枯渇し、ホルモンバランスは乱れ、免疫力は低下。結果的に体調不良を起こします。
これが「ストレス=悪」とされている理由です。
ですが、それだけではありません。
厄介なことにストレスホルモン値が脳の前頭前野で高くなると、前頭前野の機能が低下。
そもそも、前頭前野は感情(不安、恐怖など)や衝動(怒り、欲求)を抑制し、集中力や計画力、判断力に貢献する素晴らしい働きがあるため、その機能が低下すると「恐怖」や「不安」が極度にあらわれてしまいます。
これこそがHSPの弊害。
つまり……
「HSP(繊細である) ⇒ 扁桃体が活性化しやすい ⇒ 前頭前野の機能低下 ⇒ 不安を感じやすくなる」
ですが、悪いことばかりではありません。
HSPを有する人は選ばれし人
「繊細なこと」それは悪いことでは決してありません。
・人に共感しやすいということは、相手の立場で物事が考えられるということ。相手の立場になって【説明することができる、意見を汲むことができる、配慮することができる】ということ
・人の変化に気付きやすいということは、相手の体調を心配したり、相手が嫌がるタイミングを避けることができ、あるいは状況に応じた話題の提供が可能だということ。たとえばファッション(髪型や服装、化粧)を具体的に褒めたりなど、タイムリーかつストライクな対応が可能だということ。
・よく考察するということは、早い段階でミスに気付いたり、効率的なやり方に気付きやすいということ
・不安を感じやすいということは、危機的状況を回避しやすいということ
・「感受性豊か=想像力豊か」であることは、ものづくりやデザイナーなどのクリエイター職に向いているということ。また、一般の人よりも作品を楽しむことができ、さらにその作品から多くを学ぶことができるということ。
・ネガティブな雰囲気に気付きやすいということは、そのネガティブな原因に気付き、さらにはどうすれば改善できるのか、についても気付きやすいということ。
・嘘やお世辞を見抜くことができるということは、騙されにくく、信頼できる人だけと関係を深めることができるということ
・音や光、匂い、温度、湿度に敏感であることは、不快な要素を除外し、多くの人がリラックスできる空間を提供することができるということ
もちろん、これらだけではありませんが、書ききれませんのでこのぐらいにしておきましょう。
とはいえ、一般的な成果主義社会においては、困難でツラい思いを経験することの方が圧倒的かもしれません。
先述のように、そのフィールドがブラックな環境なら、繊細過ぎる性質は高確率で、あだとなります。
ですので、そんなHSPな(繊細な)方たちの気が少しでも楽になればと思い、シンプルな対処法をご紹介します。
人間なんて所詮はただの○○
あの人【冷たいな・怒っているな・機嫌が悪いな・素っ気ないな】
↓↓
気にし過ぎです。人間なんて所詮、ただの動物。
周りや雰囲気が【ピリピリしてるな・暗いな・騒がしいな・陰口が聞こえるな・慌ただしいな】
↓↓
動物がつくった社会なんて、所詮そんなものです。
思わず、当ブログでおそらく一番でかい文字を使ってしまいました……。あ、別に動物をディスっているわけではありません。伝えたいという思いがそのようにさせているのです(>_<)
これが現実です。
なぜ、動物相手にそこまで繊細になる必要があるでしょうか。
人はみないい人ばかり。人はみな信頼できる。人はみな仲良くできる。人はみな協力できる。
そんな風に心のどこかで思っていませんか?
いい人って何ですか?
人間なんて所詮はただの動物ですよ?
人類を含め動物は欲求のままに生きています。
欲求が満たされなければ動物だって怒るし、イライラしたり、(体調不良等で)じっとしたりします。逆に満たされれば、もちろん喜びます。
それこそが動物。
人間社会においては、そこに法秩序が存在しているだけの話で、逆に言うと、それさえ遵守すれば欲求のままに生きていいわけです。
人間や動物には睡眠欲、食欲、性欲があり、それらは三大欲求といわれています。
しかし人間の場合、その欲求の上に様々なタイプの欲求が存在します。
当然、それらが満たされなければイライラするときもあるし、怒るときもある、悲しいときもあるわけで。
そして、欲求というものは満たされないことの方が圧倒的に多い。それはみなさもよくご存知のはず。
今日の社会ではなおのこと。
ですので、本来であれば【浮かない顔、辛そうな顔、怒っている顔、悲しそうな顔、死んだような顔、無表情】で仕事に従事し、誰かと接するときも【だるそうに振る舞う、か細い声で喋る、面倒くさそうにあしらう、荒っぽく振る舞う、タメ口で適当に喋る、イライラしながら対応する、淡々と対応する、単語で終わらせる、無視する】
これが人間本来の姿。
いかがでしょうか。ごく自然だと思いませんか?
もう一度、言いますが人間なんてただの動物です。
なので、先述したような、あの人【冷たいな・怒っているな・機嫌が悪いな・素っ気ないな】私が何か悪いことをしたのだろうか、とか。そんな風にネガティブになる必要は全くありません。
動物として当たり前の光景であり、それこそが日常的に欲求不満状態である、人間本来のあるべき姿。
ネガティブな光景ではなく、それが真の姿。動物として当たり前の光景なのです。
では、話を戻しますが……
その動物相手に、いや、動物同士でなぜそこまで繊細になる必要があるのでしょうか?
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