
職場でムカッ! 家でムカッ!
生きていれば誰だって、多少はムカつきます。人間ですから。
でも、強い「怒り」の感情って、かなり燃費が悪いんです。
実際、怒っている時って……
仕事に集中できますか?
私はできません。
生産性が悪くなり、ストレスは自動生成され、体調も社内評価も悪くなります。
そして帰宅しても気分は晴れず、さらにイライラの雰囲気が身内にも伝染。
その結果、身内もイライラ状態に。
いわゆる「職場で上司にムカつき、それを家に持ち帰って、身内もムカつく」という負の連鎖。
これはよくないですね。
そこで今回は「ムカついた(怒り)」時の対処法を仏教と心理療法の視点からご紹介いたします。
「ムカついた」時は仏教の教え

仏教で「三毒の煩悩」という言葉があります。
煩悩(ぼんのう)とは心身を悩ませ、苦しませる欲(欲望や情欲、性欲、承認欲など)のこと。
要するに人生を邪魔する人間特有の本能のことです。邪念とでもいいましょうか。
しかも煩悩には108種類もあります。
108種類もあれば、人生そう簡単にいかないわけです。
そして、その108種類の中で最も戒めるべき煩悩を「三毒」と言います。
■三毒とは「貪瞋痴(とんじんち)」のこと
貪(とん)・・・欲望
瞋(じん)・・・怒り
癡(ち)・・・無知
つまり仏教の世界で「怒り」とは煩悩であり、毒なのです。
下記は大愚和尚の動画です。参考になりますので、是非ご覧ください。
人生においてムカつく(怒る)という感情が、いかに邪魔であるのかがよくわかります。
真剣勝負に「怒り」ほど邪魔な感情はない。持つべきは「しなやかな強さ」
大愚和尚の一問一答/Osho Taigu’s Heart of Buddha
「ムカついた」時はアンガーマネジメント

最近では「アンガーマネジメント」というメンタルヘルスも注目されています。
直訳すると「怒りの管理方法」。アメリカで1970年代に開発された心理療法プログラムです。
アンガーマネジメントの目的は怒りが深刻にならないよう管理すること。心身の健康を害したり、怒りで目的や機会を見失っては長い人生において大損です。
・怒りは家族・友情・職場を「壊す」
・怒りは伝染する(特に立場が下の人に伝染する)。つまりリーダー的立場こそアンガーマネジメントが必要。※「中田敦彦のYouTube大学から」一部抜粋
アンガーマネジメントについては中田敦彦さんの動画がわかりやすいので、ご覧ください。
中田敦彦のYouTube大学 – NAKATA UNIVERSITY
【アンガーマネジメント①】怒りで失敗しないために今最も必要なスキル
考え過ぎて「ムカついて」いる?

ムカつくまでの経緯や状況、原因にもよりますが少し冷静に考えてみましょう。
例えば「挑発」という行為。
それを人に対して、やったことありますか?
冗談や「からかい」ぐらいではなく、「挑発」です。
私はありません。人を怒らせる行為なんて意味がないと思いますし、やはり怖いですよね。
個人的には悪意を携え、接してくる人なんて、そんなに多くはないと思うのです。
もちろん世の中には邪悪な人間もいますので、一概には言えませんが……。
例えばある人から侮辱的な発言を受けた場合、その人としては深く考えず、言うなれば「面白ネタ」のつもりで言っただけ、なのかもしれません。※もちろん、それはそれで問題ですが、自分を客観視できない人なので放っておきましょう。勝手に自滅します。
上司からあるテーマについて嫌味ったらしく、ネチネチと指摘を受けた場合、その上司はさらに上の人からそのテーマについて、干されていたのかもしれません。
また、相手の言動や性格またはその組み合わせが、単に自分のコンプレックスやトラウマを刺激しているだけ、なのかもしれません。
だとしたら深く考えず、「あっそ」ってな感じで軽く流しちゃいましょう。