イチョウとADHD

イチョウ
提供:イラストAC「うにつっこみ」様

イチョウについて

イチョウは落葉高木であり裸子植物、雌雄異株です。イチョウまたは生きている化石とも呼ばれ、2億7000万年前のペルム紀の現代のイチョウと明らかに関連している化石です。

またかなり長寿命で2500年以上前の標本が存在するようです。「生きている化石」として国際自然保護連合 (IUCN)のレッドリストの絶滅危惧種に指定されました。

イチョウの葉の抽出物には、人間にとって有益とされるフラボノイドやテルペノイドなどが含まれています。フラボノイドには抗酸化作用があり、テルペノイドは血流を改善するのに役立つかもしれません。

イチョウの抽出物は、錠剤、カプセル、お茶、液体抽出物の形で栄養補助食品として販売されています。

イチョウについて詳しく

イチョウは薬としても人気

イチョウ葉エキスは1960年代にはドイツで薬として承認されました。そして今日、米国、ヨーロッパ諸国、日本ではサプリメントとしても人気です。また米国のイチョウ葉エキスに関連する製品の世界売上高は年間数億ドルを超えています。

イチョウの主成分

イチョウ葉エキスには多くのフラボノイド配糖体やテルペノイド類が含まれています。

主なフラボノイド配糖体
ケルセチン・・・ケルセチンはフラボノイドの一種で赤ワイン、玉ねぎ、緑茶、リンゴなど多くの植物や食品に含まれ抗酸化作用と抗炎症作用がある

カテキン・・・フラボノイドの一種でお茶、リンゴ、柿、カカオ、ブドウ、ベリーなど、さまざまな食品やハーブに含まれている。抗酸化作用、抗菌作用がある。日本茶の茶カテキンは世界的にも有名であり、国内では特定保健用食品が販売されている。

主なテルペノイド類
ギンコライド・・・テルペノイドの一種。血小板凝集因子に対して拮抗作用を有する。

ビロバライド・・・イチョウの葉に含まれるテルペノイド類の主要な構成成分。神経保護作用などの効果があるとされている。

イチョウと脳の病気

脳とイチョウ葉エキスの関係は昔から有名でドイツでは薬として認可されています。また多くの国々で現在も研究が進められています。

SPECTスキャン(単一光子放射型コンピューター断層撮影)は、脳内の血流を画像化するための強力で正確なツールです。2003年の二重盲検試験では、60~70歳の健康なボランティアが、イチョウ葉エキス(80 mg)またはプラセボのいずれかを8か月間毎日投与されました。SPECTは、イチョウ群の両方の脳半球における血流の改善を記録しました。これは、プラセボ群よりも統計的に優れています。

BrainMD Health『How Can Ginkgo Biloba Promote a Better Memory?』Dr. Parris Kidd

上記の通り、脳の血流に有益なため、イチョウは、自閉症、うつ病、不安、ADHDの行動的および認知的側面に影響を与える可能性があるようです(1)(2)(3)。

下記はイチョウの可能性についてまとめています。
イチョウについて詳しく

イチョウとADHD

様々な効能が期待され、現在も研究が進められているイチョウですが、今回はADHDについてまとめます。下記引用は6人の患者を対象とした試験ですが結果は大幅に改善し良好だったようです。

イチョウの使用は、ハーブの代替として研究されました。ADDと診断された6人の精神科外来患者は、ベースラインで、イチョウ葉を服用している間に、ADDの治療としての有効性を判断するために評価されました。<中略>イチョウ葉の治療中、患者の平均スコアは、全体的に、多動性、不注意、および未熟な要因で大幅に改善しました。この予備研究は、イチョウ葉が最小限の副作用で、ADDの有益で有用な治療法であるかもしれないことを示しています。

【ADD】注意欠陥障害のこと

Helmut Niederhofer
『Ginkgo biloba treating patients with attention-deficit disorder』

そもそもADHDとは

ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。ADHDを持つ小児は家庭・学校生活で様々な困難をきたすため、環境や行動への介入や薬物療法が試みられています。ADHDの治療は、人格形成の途上にある子どものこころの発達を支援する上でとても重要です。<中略>ADHDの有病率は報告によって差がありますが、学齢期の小児の3-7%程度と考えられています。ADHDを持つ子どもの脳では、前頭葉や線条体と呼ばれる部位のドーパミンという物質の機能障害が想定され、遺伝的要因も関連していると考えられています。

厚生労働省:e-ヘルスネット『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』

ADHDにおけるイチョウの作用機序

イチョウ葉エキスのフラボノイド配糖体の抗酸化活性は、活性酸素種によって誘発される酸化ストレスを軽減するとのこと。細胞膜の損傷、タンパク質の構造と機能の変化、脂質の変性、DNAの損傷を軽減することは脳の神経にも良いようです。またイチョウのテルペントリラクトンは神経保護特性に関連しているようです。

ADHDは脳内の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンの不足や異常により注意力の散漫や衝動的で落ち着きのない行動が症状として現れるといわれています。イチョウ葉エキスに含まれるテルペントリラクトンはADHDの病因と負の関係にある脳由来神経栄養因子であるノルアドレナリンとドーパミンの減少を弱めるとのことです(4)。

イチョウと他ハーブの組み合わせ

下記はアメリカ人参抽出物(200 mg)とイチョウ葉抽出物(50 mg)(エドモントン、アルタ)を含むハーブ製品の組み合わせを「ADHDに適合する3歳から17歳までの36人の子供」に対して試みた試験内容。結果は正式なADHD診断基準(コナーズやDSM-IV等)で改善を示したようです

2週間の治療後、改善(すなわち、少なくとも5ポイントのTスコアの減少)を示す被験者の割合は、不安-内気属性の31%から心身医学属性の67%の範囲でした。 4週間の治療後、改善を示した被験者の割合は、社会問題属性の44%からコナーズのADHDインデックスおよびDSM-IV多動性衝動性属性の74%の範囲でした。

【コナーズ】症状を評価、判定するために使用される
【DSM-IV】
精神障害の診断・統計マニュアル


MRリヨン, JC Cline ,J Totosy de Zepetnek,JJ Shan, P Pang, C Benishin
『Effect of the herbal extract combination Panax quinquefolium and Ginkgo biloba on attention-deficit hyperactivity disorder: a pilot study』

イチョウと補完療法

下記は注意欠陥多動性障害(ADHD)に対してイチョウを用いた補完療法の研究について。*メチルフェニデート+イチョウの投与についてはプラセボと比較して良い結果がでているようです。つまり薬との併用が効果的だったとのこと。

【メチルフェニデート】ADHDの薬
【プラセボ】偽薬

ADHDの子供および青年は、メチルフェニデート(20-30 mg /日)に加えて、biloba(80-120 mg /日)またはプラセボのいずれかを6週間投与されました。治療反応は、ADHD-RS-IVのベースラインからの27%の改善として定義されました。〔中略〕プラセボと比較して高かった(93.5%対58.6%、P = 0.002)。〔中略〕bilobaはADHDの効果的な補完治療です。これに関して、より長い治療期間のさらなる研究が必要です。

【biloba】イチョウのこと
【ADHD-RS-IV】
ADHDの診断および評価の基準

【メチルフェニデート】ADHDの薬

Fereshteh Shakibaei, Mehrsa Radmanesh, Elham Salari, Behzad Mahaki
『Ginkgo biloba in the treatment of attention-deficit/hyperactivity disorder in children and adolescents. A randomized, placebo-controlled, trial』

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注意

イチョウは、抗凝固薬や抗血小板薬と一緒に使用しないでください。またハーブ療法をお考えの方は医師、専門家の指示にしたがってください。

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参考文献

(1)
Miran Bang 1, Sun Haeng Lee 2, Seung-Hun Cho 3, Sun-Ae Yu 4, Kibong Kim 5, Hsu Yuan Lu 6, Gyu Tae Chang 7, Sang Yeon Min 1 8
『Herbal Medicine Treatment for Children with Autism Spectrum Disorder: A Systematic Review』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28592982/

(2)
Chun-Xiao Dai, MM, Chang-Chun Hu, MM, Yu-Shan Shang, MM, and Jian Xie, MM*
『Role of Ginkgo biloba extract as an adjunctive treatment of elderly patients with depression and on the expression of serum S100B』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6181482/

(3)
Helmut Niederhofer
『Ginkgo biloba treating patients with attention-deficit disorder』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19441138/

(4)
Sufei He,#1Miao Wang,#2Jinhua Si,3Tianyi Zhang,4Hong Cui,5 and Xiumei Gao1
『Efficacy and safety of ginkgo preparations for attention deficit hyperactivity disorder: a systematic review protocol』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5855296/

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